chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

RAW現像で改めて勉強した事まとめ

 
LightRoomでRAW現像して出力した画像をIEで表示させると全然色が違うという問題から派生して、今日1日調べて解った事まとめ。
 
LightRoomは、ProphotoRGB という色空間で作業している(!)
 なんだよ、そんな事も知らなかったのかよと笑われるレベルの話かもしれないですが、これ、知らなかった。どおりで、なんか変な事になるわけだ。
参考:何を信じたら,いいのやら... カメラ小僧の憂鬱 
http://rainbow55.exblog.jp/7814239/
  
・Windoows7に於いて、jpg画像をクリックしたときにデフォで起動する「Windows フォト ビューアー」は、カラープロファイルにかなりきっちり対応していて、LightRoomで見た色と同じ色で表示できる。カラープロファイルに対応していれば、PhophotoRGB や AdobeRGB のJpeg画像も自動で自分の環境(自分の場合はsRGB)にマッピングし直して表示され、色の違いは最小限になる。(ただし色域外の色はかなり変化する。これは原理的にしょうがない。)
 
Chrome の現行最新バージョンに直接Jpegを読みこませた場合は問題なし。「Windows フォト ビューアー」と等価。
FireFoxも問題なし。
 
・IE10 に、jpg画像を直接読み込ませると、一応、カラープロファイルに対応した補正がそれなりにかかるようなのだが、LightRoomや「Windows フォト ビューアー」とは発色が異なり、彩度が上がって見える。意味が解らない。 では常にダメなのかというと、例えばブログにUPした画像をIE10で見ると、ChromeFireFoxもIE10も同じに見える。(ただしLightRoomで見た色とは違う? ファイルをUPするときにサーバ側でjpegファイルからカラープロファイル情報が削除されているのか?)

Windows7のフォルダのサムネイル表示は、IEのカラープロファイル対応と同レベルっぽい。一見対応しているが、必ずしも正しい色ではないという中途半端な状態。
 
Windows環境に昔からある ペイント(mspaint.exe) は、カラープロファイルに対応してない。例えば、ProphotoRGBで出力した画像をmspaint.exeで読み込むと、彩度が落ちて酷い絵になる。
参考:Webだと写真の色が変わる? ---- TAKEN
http://taken.jp/whoc/web_colorprofile.html
まさにここで言われている症状が、mspaint.exeでは常に発生する。
 
LightRoomで表示したときの色と、mspaintで表示したときの色を一致させたい場合は、 書き出し時にAdobe-RGB を指定した方がBetter。ただし原色に近い色では差が目立つ。

・AdobeRGBは、それに対応してない環境では意味が無いと言われるが、カラープロファイルに対応してない環境下では実はsRGBよりも実害が少ない。あぁ、そんな話聞いたことあるわ。その時は意味が解らなかったが、やっと意味が解った。
 
Windows7のフォルダのオマケ機能として付いている「スライドショー」での表示は、mspaint と等価らしい。つまり、色合いが作者の意図どおりにならない。このスライドショー機能に限らず、Windows環境用に昔からあるようなソフトでは少なからず、mspaint.exe と同様の問題がある模様。
 
・ブログ等に画像をUPした場合等に、サーバー内で自動で画像縮小などが実行されてしまう事がある。すると、そこでJpegファイル内のカラープロファイル情報が消えてしまう場合がある。(!!!!!)その結果、どの画像も mspaintで読み込んだ時のような発色になってしまう。カラープロファイルに対応したブラウザであっても、画像の方のカラープロファイル情報が消えてしまっているのだから自動では対応のしようがない。悪夢だ。対策として、最初から Adobe-RGB で書き出しておけば、Windows環境下での被害は最小限に抑えられる。
 
・つまり、見る人がどういう環境で見るか解らない状況下で下位互換性を重視するなら、
 AdobeRGB > sRGB > ProphotoRGB
 AdobeRGB と sRGB は、彩度の問題を許せるかどうかにより順位が入れ替わる。私は問題を整理してみた結果としては、AdobeRGBをデフォにしようと思う。派手さが重要な場合にはsRGBになる。
 
=========================================
・一方、ディスプレイの問題も酷い。 ネカフェのPCで画像がどのように見えるのか確認したが、カラーキャリブレーションとか何にも考えてない安物ディスプレイの発色のでたらめな事にはびっくりする。上記のカラープロファイルの問題なんか吹っ飛ぶレベル。色温度が高すぎるし、赤系の発色がダメダメ。発色が悪い事を誤魔化すために、全体的にかなり白っぽく表示される。(比較対象は EIZO の CX240-CNX )

・安物のディスプレイで白っぽく表示されるので、LightRoom上でオーバー露光気味に調整するのは自重しなくてはならない。適正露光の方が、総合的には良い結果になる。
 
 
・纏めると、Windows環境に関しては、カラープロファイル対応に問題をかかえる旧世代のソフトと、発色のデタラメな安物ディスプレイが世の中のシェアを占めてしまっており、ハッキリ言ってめちゃくちゃ。救いようが無い。orz.
 
 
・この点、Apple社の製品で一式全部そろえるならば、少なくともIEやディスプレイの違いで悩まされる事は無い訳だ。(個別の不良品の話は別として。) スマホタブレットで、それぞれ iPhoneiPad にシェアがある状況も、カラーマネジメントの観点からは有り難い。Windows界隈がここまでカオスになってしまった現状と比べれば天と地の差。
 
Android端末のカラーマネジメントがどうなっているのかは調べてない。Windowsがこのありさまだし、ディスプレイは同レベルだろうから、推して知るべしだろう。
 
 
==========================================
その他
LightRoomの「ソフト校正」にチェックを入れると、ヒストグラム表示が sRGB空間 のそれとして表示される。(私がsRGB環境だから?)
マクベスチャートで数値を頼りに色合わせする場合は、ソフト校正にチェックを入れた状態で作業しないと、おかしな事になる。
・ソフト校正で色合わせする時、カメラキャリブレーションの設定が非常に重要。ここがおかしいと、どうやってもまともな色にならない。かといって、RGBを単純に数値で合わせればいいのかというと、そうでもなくて、例えば緑の彩度を、適正値よりも上げて、色相を青寄りにずらした状態で、個別の色を合わせこむと、チャートの色が同じでも、実際の写真では肌色が綺麗に見えるようになる。

 
==========================================
追記
カラーマネジメントに対応していない環境というのが少なからず存在してしまっている以上、それを無視するわけにもいかない。
Adobe-RGBだと彩度が少し下がり、sRGBだと彩度が上がってしまう、という状況下にて、彩度の変化しないカラープロファイルは無いのか? と調べてみた
Adobe-RGBとNTSCは似ている。つまりNTSCを指定しても改善にならない。
・SMPTE-CとsRGBは、かなり近い。が、環境によっては、SMPTE-Cを指定すると、彩度変化の問題が解決する場合がある。なぜなのかは未確認。
・EBU、PAL/SECAMもsRGBにかなり近い。
Adobe-RGBとsRGBの中間あたりにあるのが DCI-P3 (単にDCIと言われる場合もある) っていうやつ。ほんのちょっと彩度が落ちるがAdobe-RGBほどではない。カラーマネジメントされてない環境でAdobe-RGBの彩度落ちが問題になる場合にはアリかも。