数日前に、こんなニュースが流れた。
[国内総生産]一人当たり名目GDP、18位に低下…06年
http://news.livedoor.com/article/detail/3444978/
こういう数字は、個人の力でどうこうなるものでもないから、華麗にスルーするのが賢いのかもしれないが「なぜ日本のGDPは低下するのか?」の疑問に自分なりの解を用意しておかないと、どうも居心地が悪い。
・少子化、人口減少が原因説
・それをいうなら、晩婚化、独身族の増加も原因の1つということになるなぁ
・高齢化社会では、老人は大した生産もせず、消費もしないから、そりゃGDP下がる訳。
・退職目前の団塊の世代がハイリスクな仕事をせず、ローリスクで堅実な仕事を優先する力学が働いて成長率が鈍ったのではないか。日本大本営よろしく精神論ばかり説く管理職大杉
・日本の大卒もアホばっかりで、新興ビジネスが成長しない。投資が日本の若者ではなく海外に流れる
・大量生産工場の東南アジアへの移転が完了して投資を回収するフェーズに入りつつある。日本人が海外で使ったお金、儲けたお金はGDPに反映されない罠。
・高付加価値な電子機器も台湾製などに侵食されつつある。たとえば、もはや台湾のパソコン&パソコン関連産業を追い抜くことは不可能なほどに日本が遅れを取ってしまっているという事態だ。長期的な視野で見たとき、これが何を意味するか。
・実質的な物価を考慮して為替相場を補正するなら、中国は既に日本を超えているのではないか。中国製品なくしては、今や日本の市民生活はおぼつかない。
・行政が赤字垂れ流しで円の信頼が相対的に下がっている。円安が進行。
・いくら自動化、ロボット化でコスト削減しても、物理的な生産量がいくら増えても、生産性が上がっても、工業製品の単価が下がって総売上が停滞し、合理化でリストラされた社員が無収入になるなら、GDPは上がらない。工業製品の単価は東南アジアの低価格に引っ張られてそうそう上がらない。それは悪いことなのか?そうなのか?
・日本製品の製品寿命が延びた。長く使えるので買い替える必要がない。これに限ってはGDPには一見マイナス要因だが、国民生活の豊かさにはむしろプラスになる良いことだ。環境にもやさしい。
で、要するに何なんだ。
個人レベルで考えたとき、儲けるお金、使うお金の大小が、人生の幸不幸に正比例するものではないのだから、GDPが下がりつつも市民生活の質を向上させるということは不可能ではないと言ったら屁理屈なんだろうか。
それにしても、やっぱり問題だと思うのは、晩婚化・少子化の問題と、行政の赤字垂れ流し。これは擁護できない。これを放置しておくと、その先にはとんでもない混乱が待ち受けているに違いないということだけは確信する。
この先、何年GDPが下がり続けるだろう? 少なくとも10年ぐらいか、ひょっとすると20年ほども、今の調子でGDPが下がり続けると予想。理由は、今の時点で教育が何も変わってないし、変わる見込みもないから。財政赤字もね。
GDPが下がり続けるその先にある日本というのはどういう国なのか。ちょっと想像してみる必要がある。
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とまぁ、ここまで書いてはみたのだけど、日本にも良いところはたくさんある。
外国と比べて、見た目で一目で解ることといえば、自動販売機の多さ。なんだそんなことかと言うなかれ。これは日本の治安が非常に良いということの象徴でもある。治安の悪い国では、すぐに自販機が壊されたり、自販機ごと盗まれたりして商売にならない。驚くべきことに、世界的に見ればそういう国の方が多いのである。治安の良さはお金では買えない。いくらGDPが高い国であっても、銃社会に強盗におびえながらの生活なんて嫌だもん。
そういう意味では、少子化による労働力不足でGDPが下がるのを防ぐために外国人労働者を積極的に受け入れましょうという話は気をつけないといけないとおもう。