chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

「権利保護」=「ずうずうしさ保護」でも、ずうずうしくないと生きていけない

 
「生きる権利」とか言うよね。
主観だけど、なんか、生きていくには、ずうずうしくないと生きていけないよね。
 
「私なんて何の役にもたたない人間で・・・」なんて謙虚に生きることを追求すれば、給料もなにもかも遠慮して飢えて死ぬしかない。
適度なずうずうしさ、というのは、権利として世の中で認められているんだなと。
有給休暇とかさ。
会社員してると「お前、今月20万も稼いでないだろ、この給料どろぼうめ!」なんて言われたって何だって、だってサラリーマンだもーん。もらえるものはもらうもーん。
というずうずうしさは許されるのが現代社会なんだなと。
 
でだ。
 
著作権保護とか何とかっていうのが、何だか著作者のずうずうしさ保護に見えてしまうから、反感を買うんだなと。
ヤクザみたいな集団の海賊版商売の餌食になるのを防ぐための権利保護、というのがそもそもなんじゃないかと思われ、それは合理性がある話に見える。
 
よくよく考えると、こういう知的財産の保護というのは、海賊版が出やすいものに限定されているんだなと言う所に思い当たる。
 
たとえば。
 
100万円の自動車、これを自分1人で、ゼロから作ろうと思ったら、100万円で作れるだろうか。
 
まず無理。なぜか。知識が足りないから。それも、どんな天才が死ぬまで勉強しようとも習得しきれないぐらいの膨大なノウハウが、たった1台の自動車にさえ、詰め込まれている。ガラス1枚、鉄板1枚、ネジ1本にだって、ものすごいノウハウがあるんである。
 
そこに込められたノウハウ=知的財産を、全て金銭評価したら、いったいいくらになるだろう。控えめに見積もっても数百億円ぐらいの価値はありそうだ。
じゃぁ、その知的財産を生んだ人々に、その車の売上代金の一部が印税として支払われる仕組みになっているのかと言われれば、Noだ。
ほとんどの技術者はサラリーマンだ。特許を取って会社どうしでロイヤリティの取引があるものでさえ、社員に支払われるのは微々たる報酬金で、印税のような売上金額にリンクするものでは無い。
 
要するに何を言いたいかというと、車に詰まっている知的財産に対して、それを生み出した人の印税収入になるようなロイヤリティは、車を購入する人は一切全く誰も払っていないという現実があるということ。
会社が社内で無料コピーして利用することを認めざるを得ない立場で、ほとんどの技術者は仕事をしている。そしてその結果、安い商品が出来上がり、技術者自身を含めたみんなの生活を豊かにしている。
 
「知的財産を生み出す」という視点からは、作詞家も作曲家も小説家も、自動車の開発エンジニアも、本来は同列に扱うことができるはずだ。
しかしあるものは権利保護され、あるものは保護されない。その差は何かといえば、海賊版を容易に作成できるかどうかの違いなのか?というところにたどりつく。
自動車は個人で海賊版を作ることができないから、海賊版から保護する必要がない。だから自動車の設計図が、作詞家の詩集と同列に扱われることは無い。
そういえば油絵も、海賊版(贋作)を作るのが困難なせいか、画家が権利権利っていうのを聞かないねぇ。自分の贋作を作られるかもしれないから無地のキャンバスに補償金をかけろ!なんていう画家がいたら自意識過剰で笑われる。画集の版権はうるさいが、これは画集=書籍としての海賊版対策という側面があり、やっぱりキーワードは海賊版だ。
 
というような訳で、つまるところ、問題は海賊版に絞られるんじゃないかと。そして「海賊版」の定義を変えてくれ!と、音楽業界やアニメ業界が主張し始めたというのが本質のように思われる。ヤクザが商売目的で作った海賊版だけでなく、金銭取引の無い、「個人で私的複製したものも海賊版」「ダウンロードしたコピーも海賊版」だと主張しはじめたんだな。
そこまでは、まぁ、理解できる。具体的にどの私的複製に対していくら課金しますということを明朗会計で示して権利者が集金に来てくれるなら、払うことはやぶさかじゃない。それがデジタル技術で自動化されるなら、それはアリなんじゃないか。嫌なら聞かない、見ない、読まないだけのことなんだから。
 
・・・ここまで考えて、それでもやっぱり納得いかないのは補償金なよなー。これはいかんよやっぱり。
私的複製した・する事実があるかないかにかかわらず一律で料金集めて、しかも権利主張する輩に適当にお金をばらまく、っていうやり方はどう考えても頭が悪すぎる。ゆるせん。

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