chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

THE MAKING を見て考えた事

 
THE MAKING を見ている。1本15分ほどの動画が300本以上ある。
例:マヨネーズのできるまで --- THE MAKING
http://sc-smn.jst.go.jp/playprg/index/2048

放送されているのを何本か見た記憶があるが、ネット上でほぼ全部見られるのな。
 
自動化の進んだ最新鋭の工場もあれば、昔ながらの伝統的な手作りで作られるような物もあって、面白い。全体的に気になるのは、老朽化した工場が多いということ。最新鋭のピカピカした工場なんてのはごく一部で、ペンキが剥がれかけてサビが出たような、部外者が見れば「ボロボロやん」という感想を持たざるを得ないような工場が多すぎやしないか。
 
なんでそういう工場が多いのかと言えば、ぶっちゃけ、設備を刷新するほどの利益が出てないって事なんだろうなぁ。利益を削って、安い値段で物作りをして、疲弊している現場というのも少なくないんだな、という事を改めて認識する次第。アベノミクスも良いけれど、こういう所に生き金が回って行ってくれるように願うばかりだ。
 
もっとも、何でもかんでも自動化して省力化するのが良いとは思わない。この辺は食品関係の工場に、考え方の違いが良く出ている。どう見ても自動化できそうな工程を、あえて手作業でやってたりする。なぜその工程を自動化しないのかといえば、「その工程を手作業でやるのが好きだから」という以外の理由が思い当たらないような現場と言うのも、少なからず存在するのだ。食品関係の場合、最終的に人が食べる物なのだから、人手でやって採算がとれるのならば人手でやるべき、という考え方も、あってもいい。
 
あまり極端に自動化が進んでしまうと、時代の変化に付いて行くのが難しくなるという弊害もある。基本が職人気質で、設備はあくまで職人を助ける物、という位置づけで運営されている工場は、1つ1つの設備はとてもシンプルなのだが、そこに隠れているノウハウのレベルの高さには驚く。心配なのは、ちゃんと後継者が育っているのかどうか、という事だ。
 
そうなんだよな、若い人が、「夢と希望を持って働ける職場」であり続けるために、一定レベルの設備投資を継続的にやって行くという事は、必要不可欠だと思うんだが、どうも全般的に、そういう視点が欠けていると思わざるを得ない工場が多いのだ。
 
で、なんでそういう方向に投資が向かないのか、といえば、現状で既に、世の中で必要とされる需要に十分な生産性を達成してしまっていて、仮に設備投資して生産性を上げても、過剰生産になるだけだということが目に見えてしまっている、ということなのかなと。これは特に、伝統工芸品的な物作りをしている現場で深刻だ。
 
活路を求めるとすれば、海外への進出という事なんだろうけれども、これも騙されたの何だのと、トラブルの話も絶えないしなぁ。