chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

記憶とアイデンティティ

 
ネタ元:
「人文学はサイエンスではない」ということで良いですか?
http://dlit.hatenablog.com/entry/2018/01/25/165617
 
表題の、人文学はサイエンスか否かって話は私にはどうでもいいです。
興味深いと思ったのは次の一節
 

人間が記憶を喪失したらそのアイデンティティは変わってしまう。
人類社会のアイデンティティの保持が人文学の機能です。

 
ここで言う「アイデンティティ」が何を指しているのか、自分には良く理解できていない気はするが、なんとなく言わんとする事は解る。
 
黒字なのに廃業せざるをえない中小企業の多くは、「社会のアイデンティティの保持」ということについて、何も考えてなさ過ぎたんだと思うんだよね。
 
一方では、古い物・古い知識が消えて無くなっていく代わりに、新しい物・新しい知識が生まれて置き換わっていくなら、それでいいじゃないかという気もする。
 
古い知識がどういう場面で重要になるかというと、競争の中で競争に勝ち抜くために重要なんだろう。試験で上位を狙う時に、勉強した端から忘れていたのではどうにもならない。これは組織どうしの競争でも同じ話で、日本の大企業が世界の中でどんどん存在感を無くして行ってしまっているのは、退職して行く人のノウハウが若い人に受け継がれない事にも大きな要因が有るだろうと思う。退職して行く人の記憶を記録に残し、若い人に伝えていくことの意味も価値も、まったく顧みられない会社が、優良企業として生き残り続ける事は難しいだろう。
 
競争しなくても生きていける社会では、そういう記憶とか、アイデンティティとかいうのは、軽んじられがちなんだろうと思う。
競争して勝たないと生き残れない、負けると死ぬ、という状況下では、記憶とか、アイデンティティというものがとても重要になる。