chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

食料供給困難事態対策法がアホすぎる

これな。
 
食料供給困難事態対策法、衆院で可決 「罰金は厳しい」立憲など反対(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
 
アホすぎて声も出ない。自分が死ぬまでこんなアホな法律が発動されることが無い事を祈るばかりだ。
 
しかしそれにしてもツッコミ所が多すぎる。まず、日本という国は、職業選択の自由憲法で認められているのだから、こんな法律に従いたくなければ、その瞬間に農家をやめれば良いだけなのだ。そもそも日本では農業はまともなビジネスとして成立しておらず、基本的な生計は農業以外からの収入で成り立っている兼業農家も多い。わざわざ懲罰をうけてまで農家を続けたい善人ばかりという前提で法律ができていることがアホすぎる。

食料増産が可能な状況での少々の食糧不足ならば、そんな命令なんかなくても、市場価格の上昇で自然に供給は増えるはずで、こんな命令は不要だ。本当に深刻な食糧不足で餓死者が出るほど危機的な状況になってしまったならば、悠長にそんな命令を出して効果が見込めるほどまともに行政・司法が機能しているのかはもはや怪しい。本当にツッコミ所しかない。小学生かおまえらは。
  
そもそもなんで食料危機になるのか。
 
 (1) 何らかの国際政治的な理由で食料の輸入が困難になるケース
 (2) 大規模な火山の噴火や隕石の落下などで異常気象が発生し、全世界的に深刻な食料不足に陥るケース
 
まず (1) の場合は、政治が原因なんだから政治家がケツを拭くべき話で、その問題を農家に押し付けようという発想がちゃんちゃらおかしい。 (2) が原因の場合、増産命令なんて出したって焼け石に水だ。輸入しようにも、食料輸出国でさえ食料不足に陥ってしまったら、それぞれの国は国内消費を優先し、輸出を禁止するなどの処置を取るだろう。いくらお金があっても、売りに出されないものは買えないのだ。こうなってしまったら、食料を輸入に頼る日本はマジでどうしようもない。
 
(2) が起こってしまった場合は本当に深刻で、食料を消費する側のトリアージ的な処置が必要になる可能性があるので、それを予め法制化しておくことには意味があるかもしれない。ぶっちゃけていうならば、食料が絶対的に不足していて多数の餓死者が出ることが避けられない状況になってしまったら、次世代を担う若い世代に優先的に食料をまわし、老人は率先して餓死せよ、とか、そういうことだ。もっとも、今の政治家にそんなことを議論する根性は無いだろうけどな。
 
食料を工業的にどうにかできないのかという話は、昔から永らく研究されてきているのだが、今のところ実用化されていない。石油や木材からブドウ糖を合成することは一応可能っぽいのだが、実際にそれを商業化して採算ベースに乗せることができるかと言うと、不純物を取り除くコストが高すぎるのだろう。しかし他に選択肢が無いとなれば、真面目に再検討されることになるかもしれない。その研究を今から支援することの方が本質的な対策になるのではないだろうか。