chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

今の地下アイドルの話

TVは一切見ないし、紅白も見て無くてネットで流れてきた伝聞でしかしらないんだけど、BiSHを歌がヘタクソだって叩いてる連中には、「わかってねぇなこいつら」という感想しかない。
 
今から10年前ぐらいの地下アイドル界隈は、「打倒AKB」的な、アンチAKB的な人たちで盛り上がってた印象があるんだけど、その打倒対象が不在になったことで、今では地下アイドルも目指す方向がだいぶ変わってきたなと思う。
 
最初の最初は、「地上を目指してるけどそこまでの実力は無い、けども少数の熱心なお客さん相手に頑張ってる子たち」が地下アイドルだった。そこから、「金や組織力にものをいわすメジャー系に対する対抗軸」という性格をだんだん帯びてきていた。それが10年前。
 
ところが今や、46・48系に所属している子でも、人気が無い子は本当に人気が無くて、地下アイドル以下の知名度・ファンしか居ない人も多い。地下アイドルと一線を画すレベルで胸を張って「地上アイドル」と言えるだけのファンを獲得している子は全体の一握りでしか無くなってしまった。
 
そんな中で、「歌が特別うまいわけでもない、踊りが特別うまいわけでもない、顔やスタイルが特別いいわけでもない、衣装や演出もありきたり、元気が良いことだけが取り柄の地下アイドル」が大量生産されて多くのファンを獲得している状況っていうのは、過去十数年間のニコ動の影響も含めて、今の時代を象徴しているんだろう、と改めて思ったんだ。
 
つまり、アイドルもファンも、もはや上を目指してないんだよね。むしろ、ヘタクソで有り続けること、地下の存在であり続けることを大切にしているグループの方が支持されているように見える。アイドルは地下に定住し、ファンも地下を目指して集まる。
 
地上にはもはや夢が無いので存在意義が無い。
 
もともとロックってのは、伝統とか権力とかお金とか、大人社会に対するアンチだったんだけれども、ロックを作った人たちがもはや老人になってしまったことで、伝統的なロックさえも全否定しているのが今の地下アイドル界隈だよな。
 
それって、今の日本社会の閉そく感と若者の関係をすごく象徴しているような気がするよね。
 
「あのぶどうはすっぱい」と言っているキツネのような話に見えなくもないが、キツネ全員にいきわたるだけのぶどうが無い状況では、みんなでそう言った方が社会を上手く回すことができる場合もあるのだろう。